クラウドファンディングにて書籍化が実現した、構想20年の小説!!『高速バスター ミナル』の著者の木川明彦さんと、イラスト・キャラクターデザイナーであり、スタジオポノックがおくる3つの短編で構成されるオムニバスアニメ『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』の監督である、山下明彦さんにインタビューをしました。
取材=仕掛け番長(@maron_rikiya)
構想20年前!!
仕掛け番長
『高速バスター ミナル』を書こうと思ったきっかけを教えてください。
木川明彦さん
ちょうど20年前の今日に初の
オリジナルをやりたいということで出した作品があったのですが、そのころアニメ版『ジャイアント・ロボ』で活躍されていた山下さんにイラストを描いていただきました。その作品が『万能!ゼロ艦隊』で実はこの表紙にいるのが(指をさして)ミナルなんです。齢20くらいで『高速バスター ミナル』の後日談なんです。
仕掛け番長
え!?この綺麗な人ミナルなんですか!?
山下明彦さん
つながってるのは聞いていたけど知らなかった(笑)
木川明彦さん
実は同一人物なんです(笑) で、『高速バスター ミナル』ということも当時すでに考えていて、「新宿を高速でぶっ壊すミナルちゃん」てどうだろうと、『ゼロ艦隊』にも登場させたりしつつようやく今こうして日の目を見たと。
仕掛け番長
ではもう20年前には構想は出来ていたんですね。
木川明彦さん
そうですね。高速で新宿をぶっ壊す女の子という(笑) すでに高速バスター隊と『ゼロ艦隊』の中でも言っています。
仕掛け番長
『高速バスター ミナル』と『ゼロ艦隊』の共通点を探すのも面白いかも知れないですね!
木川明彦さん
同じ潜水艦も出てきたり、ゼロ司令という偉そうな人が同じ立場で出てきたり。
仕掛け番長
次に今回の『高速バスター ミナル』はクラウドファンディングから書籍化につながりましたがこちらのクラウドファンディングを行った経緯を教えてください。
木川明彦さん
割と軽々しい経緯なんですけど私が名刺と一緒にプロフィールシートを配っておりましてそこに「小説が書きたいんだよ」とアピールしていたらそれが目に留まりこの企画にお誘いいただいて、わりと軽くのせさせていただいて。言っとくもんだなーと(笑)
仕掛け番長
今回、渋谷、神谷町、五反田というTSUTAYA3店舗での限定発売という形での発売になったのですが販売成績もよく神谷町でのサイン会でも予定人数を超える沢山の読者の方が来てくださり大成功と言えるかと思います。
木川明彦さん
ありがとうございます!びっくりしました。
(イベントには)知ってる顔も多くて、ツイッターでの読んだ方のコメントを見ても「懐かしい」という声も多かったですね。
仕掛け番長
山下さんは20年前に描かれたキャラクターを、もう一度20年経った今描く事になったというのはどのようなお気持ちでしたか?
山下明彦さん
もう一度という気持ちはほとんど意識しなかったですね。当時と絵柄も変わってますしまったく(『ゼロ艦隊』を)見なかったですもんね。ミナルのことも今聞いてそうだったのかと(笑)
木川明彦さん
実はHPを見てもらうと年表が載せてあるのでそれを見ると(『高速バスター ミナル』から『ゼロ艦隊』、それ以降の)ストーリーの流れがわかります。
仕掛け番長
それではまた『高速バスター ミナル』の続編の可能性も?
木川明彦さん
そうなるといいんですけどね。ネタはいくらでもあります。
仕掛け番長
次は思い入れのあるキャラクターについてお聞きしたいのですが、やっぱりミナルですかね?
木川明彦さん
そうですね……。そういえばミナルは設定では最初は黒髪ロングサラサラヘアーだったのですが山下さんのイラストがクリクリヘアーで、それを見た瞬間にこれだ!と。
それで今の髪型になったんですよ。
山下明彦さん
どういう風に考えたか今もう覚えてないんですけど他にロンゲのイメージのキャラがいたので被るわけにはいかないとそうした気がします。
木川明彦さん
私が難しい注文をしまして、シルエットだけでわかる異形感が欲しいと。
山下明彦さん
そっちを求めてるんだなぁ、とだんだんと変な形になってきました。
その方が面白いですよね。
仕掛け番長
次では完成するまでに何回も描き直したり?
木川明彦さん
キヤラクターによってはバージョンいっぱいありますね(笑)
仕掛け番長
では最後になるのですがまず木川先生、『高速バスター ミナル』のファンそしてこれから『高速バスター ミナル』を読もうと思っている方にメッセージをお願いいたします。
木川明彦さん
とりあえずは話的には自分が好きなもの、サイボーグだ、スパイだ、子供のころ自分の好きだったものを高度成長期の一番パワフルな時代に詰め込んで「僕の好きなものはみんな好きでしょ!?」っていう。じゃっかん押し付けの部分もあるんですけど。
読んでない人には「もしもアメリカが無かったら」という世界観を書いているので、その辺は読むと「あっ!?」となる面白さがあると思います。また、サイトの方の年表で裏設定も合わせて読むと、より楽しんでいただけると思います。
そしてなにより山下さんの絵に注目していただきたいです。
仕掛け番長
そして山下さん、現在映画『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』が公開中です。
その中の1篇、山下さんが監督をされました『透明人間』についてこれから見ようと思っている方へメッセージをお願いいたします。
山下明彦さん
これが単純明快な娯楽作じゃないのですが、ものすごくいっぱい詰め込んで、それを全然説明していない作品です。
頭で理解しようとすると難しくて、ストーリーを語ろうと僕はしていない。
感じてもらう作品にしたい。与えられた映像だとか与えられたものだけが全てじゃないと疑ってみて欲しいんですよ。こういう現象が起きているけどこれはどういう事なのかなと。
内面を描いているんですよ。見たまんまじゃないよと。
山下明彦さん
もちろんボーっとみてて最低限面白いアニメーションではあるのですが「これは気になる」「これはどういう事だろう?」と。
説明していないという事は見たお客さん一人一人解釈が違っていい、違って欲しいと。
長編では出来ないことを挑戦してみたかったんです。
わかりやすいものがうけていると思っていた時期もあったんですけどもう少し読み込むお客さんがいるはずだ、いて欲しいと。
与えられたものだけで満足しないで!と。
仕掛け番長
今考える楽しさのある作品少ないですよね……。
山下明彦さん
もちろんあるところにはあるんですけどね。
僕はそういう作品の方が心に残るんです。見てるとき楽しいけど何も残らない作品より見終わった後何か引っかかったぞ、何なんだろうと気になる作品。
仕掛け番長
僕もまだ(『透明人間』を)見にいけてないんですけど、今日お話を聞いてより見に行きたくなりました。
山下明彦さん
最後はスカッとするために中盤まで追い込んで追い込んで。なので終盤楽しみに見てください。生活に行き詰っている人がいたら、ちょっと光がみえたらいいなと思って作りました。
仕掛け番長
お忙しいところ、本日はありがとうございました!
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