つくりてのこころにせまる

クリエイターズVOICE

自分は音楽にも漫画にもあまり詳しくないのですが、当時付き合いはじめた恋人の影響で、サブカルうんちく野郎達のコミュニティに顔を出すことが多く、どうにか彼らをギャフンと言わせられないかと考えた結果、こんな謎ブログが生まれてしまいました。

『わたしはあの子と絶対ちがうの』はフリーターとして過ごしていた20代の頃、結婚を意識していた恋人と別れて急に将来が不安になり、そこから暴走してよく分からない行動をたくさんしてしまった経験を漫画にしたものです。こちらは事実を基にしたフィクション漫画なのですが、漫画を読んだ身近な友人から「アラ子そのもの」と言われるので、恥ずかしいですが、自分自身を赤裸々に描いた作品といって間違いないと思います。

はじめは自費出版だったということもあり、どうせ誰にも見られないだろうと、作家さんや店舗を実名で出して好き勝手描きまくっていたので、商業出版された際の反応が大変心配だったのですが、思ったよりも暖かい反応を頂けたのが一番の思い出です。怒られるかと思ったので。まぁただ怒るほどの相手じゃないってナメられてるだけかもしれませんが…。

タカコはトークスキルが特別高いタイプではないと思うのですが、話のディティールが妙に細かいんですよね。そのせいか話を聞いてる時にバーって情景が浮かんで、まるで自分が体験したような錯覚に陥ることが過去に何度もあったんです。せっかくなのでその感覚を生かして漫画を描きたいなと思ってたのですが、なかなかテーマが思い浮かばなくて…。だから婚活を始めたってことを報告された時、その瞬間に「美人が婚活してみたら」ってタイトルがパっと浮かんで、これは描くぞ！って感じでした。

46話にタカコの前職の上司の女性が出てくるエピソードが一番気に入っています。結婚や出産に執着がない上司が、タカコに別の人生の可能性を示唆してくれるストーリーです。実在する女性をモデルに、実際にあった会話を参考に描かせて頂いたのですが、女性読者から多くの反響があったのがとても印象的でしたし、自分自身でも女性の生き方を考えるきっかけになりました。

婚活男子を品定めするような場面が多いので、男性が読んでいてあまり気持ちの良い漫画ではないと思うのですが、今の時代、結婚に対する複雑な気持ちや将来に対する不安などは男女関係なくみなさん持ってるものだと思うんですよね。なので「男」とか「女」とか意識せずに、共感できる部分を探しながら読んでもらえれば嬉しいなぁと思います。

映画のオススメポイントはたくさんありすぎるのですが、とにかく脚本が本当に上手くできていて…。私の漫画は実在の人物をモデルに描いてるので主人公が病気だったり仕事が不安定だったり婚活以外でも問題山積みで、主題がブレちゃってるところがあるのですが、映画版のタカコさんは健康で仕事も安定しているんです。その分ビシっと婚活や友情などの人間関係に絞って描かれてるので、ヒリヒリ感が爆発しててすごく良かったです。それなのに笑えるし胸キュンもできるんですよ！　名作です！

まだコミックスは出てないっぽいのですが、コミックゼノン(発行：ノーススターピクチャーズ、発売：徳間書店)で連載されてる荒井ママレ先生の「アンサングシンデレラ　病院薬剤師葵みどり」がすごく面白くて毎月楽しみにしています。元から医療系の漫画やテレビ番組が好きなのですが、薬剤師にスポットがあたった漫画って珍しいなと思って…。読んでるとめちゃくちゃ薬剤師になりたくなります。

こんな変な作風の漫画家を応援してくださって有難うございます。感想ツイートやメッセージ、いつもとても励まされています。これからも頑張るのでよろしくお願いいたします！