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サンライズ矢立文庫大賞
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  • INTERVIEW

SFロボットアニメ・キングゲイナー誕生秘話!

2018.12.27

本日はSFロボットアニメの名作「OVERMAN キングゲイナー」につきましてサンライズのプロデューサーであり、現在は矢立文庫編集長の河口佳高さんに、いろいろと作品秘話を伺いたいと思います!

取材=仕掛け番長(@maron_rikiya

キンゲダンス誕生の秘密!?

サンライズの河口佳高さん

仕掛け番長

「OVERMAN キングゲイナー」(以下キングゲイナー)は「機動戦士ガンダム」の監督として知られる、富野由悠季監督(以下富野監督)が手がけるオリジナルアニメーションです。そんな富野監督と言えば「伝説巨神イデオン」に代表されるようなシリアスな作品のイメージがあるのですが、このキングゲイナーは一部シリアスな展開はあるものの、基本的にはコメディタッチで明るく見れる作品でした。

仕掛け番長

「戦闘メカ ザブングル」のように明るい作品は過去にもあったのですが、キングゲイナーのそのエンターテイメントとして家族で楽しめる感はとても印象に残りました。やはり富野監督がキングゲイナーをそういった作品として考えられたのは何故か?と言うところが気になります。どうしてキングゲイナーはシリアスではなく明るい作品としてうまれたのでしょうか?

河口佳高さん

もともと、富野監督の初期構想メモではかなりシリアスな作品でした。前作にあたる「∀ガンダム」が穏やかな印象の作品だったので、私も今度は逆に行くんだなという印象を持ちました。

河口佳高さん

ところが、シナリオやデザインの制作を進めていくにつれ、富野監督の中で「芸能」というキーワードが大きくなってきて、楽しい作品にしていこうという軌道修正が起こりました。

河口佳高さん

それはこのプロジェクトに参加してくれた安田朗さん、西村キヌさん、中村嘉宏さんと吉田健一さんのスタジオで合宿するようにデザインを仕上げていくようなやり取りや、大河内一楼さんはじめとする若手脚本チームの富野監督に挑戦するような仕事ぶりを見て、彼らとセッションしていこうという気持ちになったように思います。

河口佳高さん

制作が本格化してからも、演出陣、作画陣らスタッフとセッションするやり方は変わらず、さらに加速していきました。

仕掛け番長

そういった経緯から作品の方向性が色付いていったんですね!次に、キングゲイナーのお話をする上でOPについて触れないわけには行かないと思います。OP曲「キングゲイナー・オーバー! 」は「マクロス7」の主人公・熱気バサラの歌唱を担当されているなどで有名な福山芳樹さんが、キングゲイナーの名前を連呼するというこの歌は昔ながらのロボットアニメのOPを思い出させつつ何故か新しさを感じさせるものでした!

仕掛け番長

またOPアニメーションでダンスをする(通称キンゲダンス)というのも当時新鮮でかなり話題になりこれを基にしたイラストなども多く出回りました。このOPの誕生のお話や考えていた狙いなどを教えて下さい!

河口佳高さん

主題歌は、富野監督がみんなが盛り上がって歌えるような曲をと希望して田中公平さんにお願いしました。そして田中さんからも挑戦的な盛り上がりの曲が上がってきました。それに対抗して富野監督がオトナゲないくらいのやる気を出して絵コンテを描き上げました。

河口佳高さん

それでキャラもロボも踊るというOPが出来上がったのです。この絵コンテが番組の方向性を明確に決定づけたのですが、それまでのシリアス路線からの軌道修正にいちばん乗り遅れ戸惑っていた私とバンダイビジュアル(当時、現バンダイナムコアーツ)の湯川淳プロデューサーは、「キャラが躍るのはいいけれどロボまで踊るのはいかがなものか?」と反対意見を言ったことがあります。

河口佳高さん

このことで富野監督に「お前らが反対したことは一生覚えているからな」というオトナゲないお言葉をいただきました。

仕掛け番長

キンゲダンスはやはり富野監督のアイデアだったんですね!それでは、次にキングゲイナーの大きな魅力のひとつに登場人物たちのキャラクター性があると思います。ネタバレになるのであまり話せないですが1話から見て行くとその印象の変化に驚くキャラも!!そんなキャラクターの中でもっとも好きなキャラクターと、その理由を教えて下さい。

河口佳高さん

この作品のキャラクターデザインは中村嘉宏さん、西村キヌさん、吉田健一さんの合作キャラなのですが、特に女性キャラは魅力的にできたと思います。

河口佳高さん

エロい大人の癖にドジなアデットさんや賢いアナ姫、まじめにヒロインポジションを守るサラ、一人に絞れないのでこの三人が好きな女性キャラということで。
男のキャラとしては、シベリア鉄道警備隊のケジナンも好きですが、最後の最後に言いたいことを言わせてやれた主役のゲイナー君です。

仕掛け番長

その気持ちわかります!女性キャラクターは可愛くて魅力的で、本当に一人に絞れないくらい、私も好きなキャラクターがたくさんいます!

仕掛け番長

次のお話ですが、キングゲイナーは戦闘シーンについても非常に凄い出来になっており見ているものを圧倒します!この戦闘についても最も好きな戦いとその理由を教えて下さい。

河口佳高さん

戦闘シーンについては、シリアスからの路線変更もあって脚本段階でオーバースキルという能力がメカに加わりました。それを生かした戦いが特に気に入っています。
最初にオーバースキルを使った第3話や第5話の消えるオーバーマン、第11話の盗むオーバーマンの戦いなど。それと主人公が●●(ネタバレのためお伝えできませんが)になってしまう最終のオーバーデビル戦です。

仕掛け番長

路線変更からオーバースキルが追加されていたとは驚きです!さて、今回のサンライズ矢立文庫×マンガハックで開催される、サンライズ矢立文庫大賞では、「OVERMAN キングゲイナー」の1.5次創作を募集するという画期的なコンテストとなっていますが、どんな作品が投稿されたら嬉しいかを教えて下さい。

河口佳高さん

キングゲイナーの世界は、人口過密な地球上で人間と多様な生物が生き延びるために、気候の穏やかな地域は自然回復と農業用に明け渡し、人間はあえて過酷な環境にドームポリスを作り移り住んで数百年?千年?という世界です。
そんな中でも人々は多様で、エネルギーにあふれていて、はめられた枠を飛び出そうとエクソダスを試みています。

河口佳高さん

この番組を見てそれって日本では幕末の脱藩だよね?という感想をくださった人もいます。
なので自由な発想でとらえていただいて、エネルギーあふれる作品を投稿していただければありがたいです。
私個人はいつか、シベリア鉄道に乗って幸せのオーバースキルを持つオーバーマンを探す兄妹の話を作れたらなァと思っています。

仕掛け番長

それでは最後に、記事を読んでいる読者の皆様にそれぞれメッセージをお願いいたします。

河口佳高さん

このサンライズ矢立文庫大賞はマンガハックさんと組んだ初の取り組みです。また、広く一般の方からサンライズ作品の1.5次創作マンガやイラストを募るということも我々にも前例のない試みです。
ぜひ、それぞれの作品のキャラクターやメカ、その世界に愛情を注いでいただいて作品を生み出していただければ幸いです。
そしてこの取り組みから、新たなアニメ作品を我々と一緒に作るクリエイターの方と出会えればとも期待しております。
どうぞよろしくお願いします。

仕掛け番長

本日はお忙しいところ、お時間頂きましてありがとうございます!

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