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  • INTERVIEW

事故物件を浄化!? 映画×漫画「ルームロンダリング」片桐健滋監督×羽生生純先生対談

TSUTAYA CREATORʼS PROGRAM FILM2015で準グランプリを獲得し、7/7(土)より全国ロードショーが始まる映画「ルームロンダリング」。脚本も担当した片桐健滋監督(@KatagiriKenji )と、コミカライズ版を連載中の羽生生純先生(@hanyunew )の対談をお届けします。

取材=仕掛け番長(@maron_rikiya

学生時代はともに映像好きな少年…

映画監督の片桐健滋さん(左)と漫画家の羽生生純さん(右)

仕掛け番長

まずはお二人に映画監督、漫画家になろうと思ったきっかけをお聞きしたいと思います。片桐監督いかがでしょうか?

片桐健滋さん

私が5歳の時に、父が飛行機事故で亡くなり、7つ離れた兄も中学卒業後に渡米したので、自分が実家の生け花の家元を継ぐと思っていました。ですが、兄が20歳の時に戻ってきて家元を継ぐということになり、私はその道に進む必要はなくなりました。

仕掛け番長

ご実家が生け花の家元だったなんて!

片桐健滋さん

そうです。そして、元々おじいちゃんが使っていた部屋が自分の部屋となり、荷物を整理すると昔の映像を撮る8ミリフィルムや映写機などがあって、それで家の近所を撮影して編集して、映像作るの楽しいって思ったのがきっかけです。

羽生生純さん

昔は映像好きな家なら、8ミリありましたよね。映写機も編集機も。

片桐健滋さん

時代的にそうですね。そして、高校生の時に初めて学生コンクールに出したら、酷評されてしまって…。PTA的に受けが良くない作品だったかもしれないのですが、一生懸命作ったので納得いかずに、別のコンクールに応募しました。その時に、大島渚監督が審査員をされていて、自分の作品も入賞して、仕事にしてもいいかなと思って、現在に至ります。

仕掛け番長

羽生生先生はいかがでしょうか?

羽生生純さん

小さい頃から絵は描いていました。でも、王道の漫画は全く読んではいなくて、テレビとかアニメとか映画の方に触れる時間の方が多かったです。 高校の時に映画を作りたくて、8ミリ映画同好会がある高校に進学して、同好会では年に1本文化祭で上映する映画を作っていました。自分は同好会で脚本・監督の役割だったのですが、プロデューサーの役割の友人が交渉して、色々な人を集めてる姿をみて、自分はそういうの苦手だなと思い、一人でも出来る漫画を描こうと決めました。高校卒業後、漫画の専門学校に通ったのですが、あまり環境があわず、半年で学校にいかなくなりました。ちょうどその頃、アスキー(エンターブレインの前身企業)に応募して、賞を頂いたりしてるうちに長野に帰ったのですが、再度上京するために友人の紹介で、住み込みのバイトをしながら漫画を描いていき、ファミ通で竹熊健太郎さん原作の「ファミ通のアレ(仮題)」の作画担当として、週刊連載がスタートしました。
仕掛け番長

羽生生先生も映画作りに興味があったんですね。漫画を選んだのは人との付き合い以外にも理由はありますか?
羽生生純さん

自分はお話を作りたい」という気持ちがまずあり、それを実現させる手段としては自分で全部世界を表現できる漫画の方が、話は早いなと思いました。絵も好きだし、漫画も少しは読んではいたので。

仕掛け番長

片桐監督は映画を選んだ理由はありますか?

片桐健滋さん

私も自己完結する表現のものに憧れていました。そもそも、どうすれば映画監督になれるのか? ともよくわからなかったですしね。映画を撮れなくても、自分の伝えたいことを書いていたら、何だかうまい様に転がっていって、たまたま映画の世界に入れた感じです。監督になる方法ってあるようでないので、みんな業界への入り方は違うかもしれません。僕は、バーテンでお金を貯めて、フランスにいって、戻ってきて編集をやってなど、人との巡り合わせでこの世界にいるんだと思います。

仕掛け番長

映画監督さんと漫画家さんに同時にインタビューすることが初めてなんですが、映画監督さんと漫画家さんって紙一重の関係性と思うのですがいかがですか?

羽生生純さん

映画監督で漫画家になりたかったという人も聞きますし、漫画家で映画監督になりたかった人や実際にやる人もいますよね。

仕掛け番長

一人映画監督みたいですもんね、漫画家さんって。

羽生生純さん

そうかもしれませんね。

片桐健滋さん

小説を読んでる時に絵を思い浮かべたり、音楽を聴いている時に風景を想像したり自分の過去の経験と重ねたりすると思うんですが、そういった全部の表現を持っているのは映画しかないと思います。そして、映画の良い部分を漫画は持っていると思うんです。

仕掛け番長

羽生生先生は映像的な表現をされる漫画家さんだと思うのですが、「ルームロンダリング」の漫画版は、映画と非常に近いけど違うものだと感じました。

羽生生純さん

自分がそんなに、漫画を読んできてないというのが大きいと思います。漫画好きな漫画家さんだと、好きな作家さんの絵のタッチ、構図とかコマ割りとかに、影響を受けたりすると思うのですが、自分はそういう意味で影響を受けた方がいないと思います。どちらかいうと、映像として考えて、それを漫画の画面に落とし込んでいるイメージでやってます。

映画×漫画2つの「ルームロンダリング」が生まれる瞬間

仕掛け番長

正に今回のコミカライズに適任な漫画家さんだったんですね。それでは「ルームロンダリング」についてお伺いします。この作品が生まれたきっかけを片桐監督お願いします。

片桐健滋さん

今回、一緒に脚本を書いた梅本さんに話をして、彼が企画書を書いてTSUTAYA CREATORʼS PROGRAM FILM2015に応募しました。ヒントは、助監督をやっていた中村義洋監督の「残穢-住んではいけない部屋-」ですかね。土地に霊がいてそれが一度でも居住した人にずっと感染していくというお話だったんですが、僕はコメディになる要素があると思いました。そして、もし一本目の長編作品になるのなら、自分の家庭環境やメッセージは入れたいと思い、主人公の御子ちゃんが飛行機を掴むファンタジックなシーンがあるのですが、そこは飛行機事故で亡くなった父への想いを込めています。父の亡くなった年齢に自分が近づき、自分にも娘がいるからこそ、父に会って話がしたいなというのを、主人公の御子ちゃんとお母さんとの関係性に重ねました。また、正直に内面を描くと暗くなってしまうので、書き手は男ですが主人公は女の子にして、観た人が寂しくもなるけど、心地よくもなる作品にしたいと考えていました。

仕掛け番長

それでは、羽生生先生が映画をはじめて観た時の感想お願いします。

羽生生純さん

はじめから映像で観たんですが、入り口はホラーでありながら、予想外の方向に物語が進んでいくのが面白くて、すごく優しい映画なんですよね。自分にないものしかない作品だなと思いました(笑) 一応、コミカライズをやる前提で観ていたんですが、全然自分の被ってない作品だからこそ、やってみたいと思いました。

仕掛け番長

伝え方が、映画と漫画版が異なるアプローチだなと思っていたのですが、その辺りは意識されましたか?
単行本上巻書影(左)と映画ポスター(右)

羽生生純さん

コミカライズの意味って、もちろん大筋は同じですが、映画と似ているけど違うものじゃないと意味ないと思いました。いかに、別の種類のものとして提示するかを意識的に考えて、お話を頂いた時も俺がやると変わっちゃいますが良いですか? と念のため許可をとって自由にやらせて頂きました(笑)

仕掛け番長

片桐監督は漫画版を読んでどう感じられました?

片桐健滋さん

単純に毎話楽しく読ませて頂いてて、A面とB面のような関係性だと思っています。裏のテーマは人が死ぬというところはありますが、作品全体が暗くなるので映画では深堀りしませんでしたが、そこを漫画版でカバーして頂いてると感じます。

羽生生純さん

後出しジャンケンですからね。相手の手を見て出してますから、そりゃずるいですよね。

片桐健滋さん

先に脚本読んで頂いてれば良かったです(笑)

仕掛け番長

映画も漫画版も両方、楽しんで頂きたい作品ですが、もちろん羽生生先生のこれまでの読者の方にもこの作品を読んでほしいなと思いました。

羽生生純さん

「ルームロンダリング」の優しさに引っ張られて、自分の毒っ気が浄化されてる気がしてます。もちろん、毒は抜けきれてないですが(笑)

仕掛け番長

それでは、お二人のオススメの映画または漫画を教えてください。

片桐健滋さん

ティム・バートン監督の「ビッグ・フィッシュ」です。日本映画の先輩方からは、芝居を軸とした作品作りを教えて頂きました。それも大切なんですが、自分の嗜好としては、お芝居+映像表現が付いてくるファンタジックな作品が好きです。観た後に、ホワッと少し不思議な気持ちになる、アニメやコミック寄りの表現の作品が好みです。「ビッグ・フィッシュ」は家族の話、父と息子の関係をファンタジックに描いているので、オススメです。

仕掛け番長

羽生生先生はいかがでしょうか?

羽生生純さん

この手の質問いつも迷います(笑) スティーヴン・キング原作の「黙秘」という映画があるのですが、金持ちのおばあさんが亡くなって、主人公のメイドが疑われるというところから始まるミステリー作品です。テレビ放送された吹き替え版が好きで、それを何回も観ています。演技もよく、途中でエグさはあるけど、最後にスッキリするオススメの作品です。

仕掛け番長

面白そうな作品のご紹介ありがとうございます。最後に、これから「ルームロンダリング」の映画を観る方へメッセージをお願いします。

片桐健滋さん

事故物件というホラーの要素もあるのですが、全然怖くありません(笑)皆さまの日々のストレスや心が洗われる、気持ちがロンダリング(浄化)されるような意志を持って作りました。ほっこり優しい映画になっているので、ぜひ映画館で楽しんで頂ければ嬉しいです。

羽生生純さん

本当に優しい映画なんで、老若男女関係なく楽しめると思う作品です。映画鑑賞した後に、漫画を読んで頂いて、その落差の違いを楽しんで頂ければ幸いです。

仕掛け番長

お二人とも本日はありがとうございました。

イベント情報

「ルームロンダリング」羽生生純先生サイン会開催決定!

  • 日時:7月14日(土) 14時~15時
  • 会場:TSUTAYA BOOK STORE五反田店
  • 対象商品:BEAM COMIX「ルームロンダリング 上」
  • 参加方法:7月14日(土)14時~15時に会場にてコミック「ルームロンダリング」を購入いただき、サイン待機列にご整列頂きます。

※整理券などはございません。お時間内にご来店いただき対象商品を購入でご参加できます。
※15時以降のご参加は出来ません。
※商品は充分にご用意いたしますが万が一売り切れの場合には時間内であっても受付を終了する場合がございます。

作品情報

プレゼント情報

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