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書店員レコメンド「モモノ怪トガリ」妖怪作品の大注目作

もっとたくさんの面白い新刊が多くの人に知られるように!という熱いを気持ちを胸に、書店の現場で働く目利きの達人である書店員が「店頭で激推しする」作品をご紹介する「書店員レコメンド」企画第一弾!
今回は書店で実際に展開されている黒谷宗史先生(@kurotanisyuji88)『モモノ怪トガリ』(双葉社刊)をご紹介!

文=仕掛け番長(@maron_rikiya

妖怪作品の大注目作

仕掛け番長

私は妖怪が好きだ。小さな頃は『ゲゲゲの鬼太郎』(当時は3回目のアニメ化だったと思う)を毎週楽しみにしている子どもで、遠足などで田舎に行くたびあそこには河童がいるかもなどと探検して遊んでいた。

仕掛け番長

そんな妖怪をテーマにした漫画の1巻目が10月に発売された「モモノ怪トガリ」は妖怪と可愛くて少しエッチな女の子と特別な何かを持つ主人公。
漫画好きの大好物をこれでもかと詰め込んだ本作はじわじわと口コミで広がり、刊行点数が増えすぎて1巻目に注目が集まりにくい今にあってしっかりと漫画ファンの心を掴んできている。

仕掛け番長

その魅力を今日は2つ語らせていただきたい。
まず1つは「妖怪の表現の仕方」
妖怪とは怖さとなんだかわからないひたしみやすい感じが共存した存在だと私は思っている。(私は子供の頃怖さもある中で妖怪と友達になりたい。そんな事を思っていた。)黒谷宗史先生の描く妖怪はまさにそれでなんだとても素敵なのだ。非常に癖になるデザイン。そういえば伝わりやすいかもしれない。

仕掛け番長

そして2つ目「めちゃくちゃ可愛い女の子キャラクター」
万野先輩の可愛さはもはやこの作品の一番の魅力と言ってもいいかもしれない。1話目で開始早々制服姿でその魅力を存分に読者に見せたと思いきやその数ページ後まさかのチャイナドレスで登場には度肝を抜かれる。そして足に妖怪を付けて蹴り技で戦うという戦闘スタイルでこのチャイナドレスでの魅力をこれでもかと伝えてくる。画面の切り取り方やコマ割りも非常にそれを意識して躍動感を最大限に発揮している。最近流行りつつある「ふともも女子キャラ」まさにその代表的な存在になるかもしれない。

仕掛け番長

まだまだこの作品の魅力は多くあるのだが(主人公のトガリやそのベースとなる設定を浸かった複線など……。)あまり語りすぎても物語を読んで読者が「知る」という面白さを奪いたくないのでこの辺で終わりにしたいと思う。

仕掛け番長

2巻目、3巻目の展開に期待しつつ「モモノ怪トガリ」ぜひ一読いただきたい。

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レビュアープロフィール

栗俣力也書店員全巻一冊アドバイザー。コミックライブ企画・司会進行。Webまんがshopグッズ企画・アドバイザー、クリエーターボイス企画・インタビュアー。MBSテレビ「アニマゲー」漫画回ゲストなどテレビ番組に多数出演。書店員という枠にとらわれずマルチに活躍する通称、仕掛け番長。著書「マンガ担当書店員が全力で薦める本当にすごいマンガはこれだ!」「100万人が選ぶ本当に面白いWEBコミックはこれだ!」「たぶん、出会わなければよかった嘘つきな君に(原案担当)」他。人生の教科書は「鮫島、最後の十五日」